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ポリコレは嫌いだが、女戦士は好きだ。- 創作ど素人考察

Game,Tale > 考察 2023年5月23日(最終更新:13日前)

どもです。
近ごろ、反ポリコレという言葉がtitterのトレンドになるなど、悪い意味でポリコレという言葉が目につくと思います。

ポリコレとはポリティカルコレクトネスの略で、直訳すると「政治的な正しさ」。差別や偏見に起因した表現や認識を避けるという意味です。
看護婦を看護師と呼び変えるなどの動きがこれによるものです。
当初は違和感こそありましたが、慣れると何でもないものですね。同時に男性の看護師にも違和感がなくなった。これが正しいポリコレです。

ですが、皆さま御周知の通り、このポリコレの暴走が表現の世界を脅かしています。
原作が白人のヒーローやヒロインを黒人に変更しろとか、弱い女はやめて武器を持たせろとか、そんな創作者への酷いクレーム、いちゃもん。
多様性を認める概念のはずが、声の大きな連中が「政治的な正しさ」を武器に表現の多様性を潰しにかかっている。
当然ながら、良識のあるオタクや創作者はこれを「白人ヒーロー差別」であり「弱い女差別」であると理解していますが、クレーマーは自分たちの正当性を信じ、その教えを広げるため自分たちで創作の筆を取ることもせず、自分たちにとって気に入らない作品を捻じ曲げては満足しています。

このような肥大化した「正しさ」による暴力を許すわけにはいきません。

そういう時世のもと、自分はこの「ポリコレの暴力」は大嫌いです。

しかし一方、彼らが正しいと主張するような「女性が武器を取って戦う」のは好きです。

ですが、ポリコレによって作られた女戦士はクソくらえです。

何でかって、女戦士は「女【なのに】戦士」が良いのです。
多様性の押しつけは、この【なのに】を認めません。
この【なのに】によって、女戦士にどのような魅力が生まれるのか、というのが今回の論題です。

男女の戦闘適正の差

一般男性が無理なく短時間に運べる荷物の重さは16kg、女性は14kgと言われています。
20代日本人女性の平均身長は157.5cm、男性は171.5cmです。

武術を齧った方なら理解できると思いますが、この2kgと14cmの差は、戦闘において致命的な格差です。

加えて、女性には月一で体のコンディションが最悪になるハンデがあります。
いくらジェンダー平等を謳っても、男性の方が女性より戦士として有利なのは明白であり、この格差を無いものとして扱うのは、女性に過剰な労苦を強いる行為であり、むしろ女性差別と言えるでしょう。

女戦士とは、この格差を前提に、なお男戦士と同等かそれ以上の戦闘力を持つのが魅力なのです。
そして、そういった「自然ではない」存在を描くには、その「理由」が必須になる。それもまた魅力なのです。

【女戦士の理由】

①環境型
 ・男女の格差が存在しない種族ないし世界である。
 ・男女の役割が反転した民族ないし世界である。
 ・魔法/銃火器が使える。

②個人型
 ・男性以上の体格に恵まれている。
 ・天才的な戦闘センスを持つ。
 ・ストイックに努力を重ねてきた。
 ・改造/強化人間である。

女戦士の理由【環境型】

こちらは戦士本人ではなく、彼女を取り巻く環境に理由があるため、彼女が戦士であるために特別な理由が要らないパターンです。
その性格・アイデンティティに「戦士であること」が起因しない可能性が高く(起因しても良い)、むしろその理由となる環境の方が物語の重要な要素となります。

男女の格差が存在しない種族ないし世界である。

例えば、古典ファンタジーで定番の「ドワーフ」ですが、男女差を明確にしたSW2.0のようなドワーフもいる一方、男女で体格の差もなく女性も髭もじゃなドワーフもあります。こっちがより古典式らしい。
男女で身体能力に格差がないのなら、男女平等に戦士となる機会は訪れるでしょう。

または、ソードアート・オンラインのような世界であればどうでしょうか。
電脳世界上では、敢えてそう設定されない限り、男女に身体能力差はありません。そんな世界であれば女性が前衛戦士になっても何も支障はないでしょう。

男女の役割が反転した民族ないし世界である。

いわゆる「アマゾネス」などですね。
現代人の感覚では、わざわざ女性ばかりが戦士になる合理性が分かりませんが、古代、農耕による定住化が進み「王」という概念が定着するまでは、権力はむしろ母である女のものだったと言われています。古代宗教ほど最高神または真祖の神が女神であるのが証左です。

鍛えていない男性より鍛えている女性の方が強いのは当然ですし、そういった社会で戦士職こそが花形だったのなら、女性による戦士団が存在していてもおかしくありません。
既存作品で例示すると、FF9のアレクサンドリア王国がそれですね。女王制の国であり女性の権威が強く、戦士は女・文官は男が一般的。王国軍唯一の男性隊であるプルート隊はうだつが上がらず、女性兵士らの笑いものであった、という始まりの物語でした。

魔法/銃火器が使える

これは、身体能力が戦闘力に及ぼす影響力が低い、ということです。
極端な話、ガンダムの操縦に男も女もないでしょう、ということ。
当然ですが、現実での銃のある戦闘は、かなりフィジカル勝負です。自衛隊訓練の密着映像なんかを見ると分かりますが、体力や筋力を求められる場面が常であり、女性が平等に戦える環境とはいえません。
しかしこれは軍属の場合。在野の戦いなら武器や装備の質が平等ではないのが一般的で、2kgと14cmを埋めるつよつよの武器を持てたなら、男性より優位に戦うことが可能でしょう。

女戦士の理由【個人型】

こちらは、戦士本人に戦士となった理由があるパターンです。
そのアイデンティティは戦士であることに重点が置かれている場合が多く、そうでない場合も戦士となった「理由」が彼女の人生・人格に大きく影響しています。

男性以上の体格に恵まれている。

そもそも2kgと14cmの差が初めからなければ、戦士になれない理由もありませんね。
ダンガンロンパの大神さくらちゃんのようなケースは流石に極端ですが、男性並みに長身で筋肉質であることが条件になります。

そうなると、今度は外見的な「女性らしさ」の欠如が彼女らの自己に影を落とすことになるでしょう。
可愛いが着れない、友だちと話が合わない、不当に男扱いされるなど、彼女らにとって面白くないことは数多くあります。

天才的な戦闘センスを持つ。

特に体格が優れているわけではないが、天才的な戦闘センスを持つために素で男性より強い、というパターン。
この場合は「戦士である」より「天才である」方が彼女らの人格に与える影響が強そうです。
周囲との感覚の乖離、天才ゆえの無理解、無自覚・有自覚な傲慢さなどが重要になってくるでしょう。

ストイックに努力を重ねてきた。

特別に優れた素地はないものの、ひたすら努力を重ねたことで、優れた戦士となっているパターン。
これは最も戦士であることがアイデンティティになっているパターンでしょう。
秘境育ちなど特異な生い立ちでなければ、人並外れた努力を重ねてきた自負があり、プライドが高く、男性より優れていることに自己の価値を置きがちです。

さながらプロスポーツ選手のように、日ごろの鍛錬やコンディションのメンテナンスに余念がなく、一方で堕落や背徳を許さぬ無機質さがあり、また怪我などで引退や休業を余儀なくされた場合の絶望と虚無は凄まじいことになります。

改造/強化人間である。

悪の組織に改造されて、物凄い戦闘力を手に入れたとか。
エクスフィアを装着させられて、大木を片手で扱う筋力を手に入れたとか。
そういった外的要因によって戦士になった/させられたパターンです。

これは自主的にそう「なった」のか、悪い連中に「させられた」のかでそのアイデンティティに大きな差異がありますが、いずれにせよ普通の人間ではなくなってしまったことによる影響が強く生じます。

ということで、今回はポリコレの恫喝によって武器を持たされた女性ではなく、物語上に妥当な理由があってこそ戦う女は魅力的になるんだ、という話でした。

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