ど素人から毛を生やす。<延>

可惜夜に希う 感想殴り書き

Game,Tale > ゲーム > 感想 2024年1月16日(最終更新:9月前)

サムレム真エンド到達。
まだ回収できていないイベントがちらほらあるようだが、一先ずコラボイベを楽しみにしてパルデアに戻ることにする。

例に洩れず伊織くんに脳を焼かれているので、感想書き殴り。
なお、これ書いてる奴は通常版を買ってしまったので、特典小説を読めていないため解釈違いがあるかもしれない。とても読みたい。

取り敢えず、「主人公が最良の結末を迎えること」をハッピーエンドというなら、あの真エンドは誰が何と言おうとハッピーエンドだったんだと自分は思う。

伊織くんの人生は本当にどん詰まりで、それは剣を振るうその行為ではなく、剣を極めることに人生を見出してしまっていたことに起因すると思う。
漫然と生きられない。至上命題に対して日々の進捗がないと満足を感じられないのだ。
伊織くんの戦い方は格上の相手を倒すことに特化している(セイバーは逆に「格下を鏖殺する」ことに特化した剣だ)。そのため実力的には敵わない師匠やセイバーに対して勝ちの目があったわけだが…。
あのときセイバーを斬れてしまえたとして、そこが彼の最高の瞬間になってしまっただろう。しかしそれで伊織くんは、自分が剣の極に到達できたとは、絶対に思わない。彼の思う頂は夢幻であり、果てが無い。例え今を生きる全世界の人類怪異を斬り伏せたとしても、足りない。そこを終着点にすることはできない、だろう。

永遠に到達できない目標を至上命題と据え、人生の基幹としている。
決して辿り着けない夢のために、己の人生を糧にしている。
そしてその自覚がある。主題歌の2番サビは彼の「逃げ」そのものだ。なんて人間らしい。

極端な描かれ方をしているが、その弱さ、苦しみ、息苦しさはあまりに生々しい。よく分かる。共感できる。
致命的に破綻している。

だから、伊織くんには破滅願望があったのだと思う。
いっそ生きていたくない、あるいは一瞬、夢のために全てを擲って、そのまま破滅してしまいたい。

でも、そういうわけにはいかないので、呼吸に苦しみながら今日を生きていた。
生きていくことは、一応、できる。
だって、他に好きな人も好きなこともある。幸せを感じる瞬間もある。良心もある。自分を社会に繋ぎとめるものもある。人として「こう生きていくべき」社会の強制力が逃げ道になる。

でも、苦しい。
とても、惨めだ。

だから、あの可惜夜は、本当に幸福な夜だった。
息を吸っても苦しくなくて、永遠に得られないと思っていた、真に自分を「理解」してくれた友がいて(しかも「一人で戦う」が成立していた友に「理解」の概念を与えたのだ!)、良心に苛まれる前に、死ぬことさえできた。
羨ましいほど、幸せな幕引きだ。

「それは、勝てないな」の一言に滲み出る歓喜と安堵が、この物語がハッピーエンドであったことを示していたと、思う。
(この安堵は苦しみの日々からの解放されたことの安堵であり、同時に自分が他者の災いにならずに済んだことへの安堵のように感じた。やはり本質的に優しいのだ、彼は。)

まあ、つまるところ。
これ書いてる奴は伊織くんの「苦しみ」の部分に最も共感してしまったので。
表エンドの伊織くんの決断を、称賛することができないのだ。
どんな果てが待っていようとも、誰を涙させようとも、一歩逸れて歩いた方がより遠くまで進めたとしても! 一歩だけでも、真っすぐ、「道」を歩むとしたことを、自分は尊びたいのだ。


しかしまあそうなると、気になってくるのはFGOコラボの先行映像なんだが。
セイバーが明らかに真エンド済なのに、伊織くんがサムレム未履修である、なんてそんなことはあり得るか?
今までのコラボ参入キャラで、本編の記憶を持たない人物は誰一人としていなかっただろう。それは、あり得ないのだ。

では、何等かの理由で記憶を失っていると見た方が順当だ。
特異点そのもののシステムで、記憶が改竄されている、というパターンであれば有情だが。
特異点そのものの元凶が伊織くんであり、心おきなく剣を振るうために意図してか知らずか自らの記憶を消している、という方がなんぼかあり得るな~~と思ってしまうのだ。

クッソ楽しみである。


コラボ読了後追記

鋼屋先生最高かよ(真顔)

正直、3日目辺りから「ああ、伊織くんの記憶を奪ったのは伊織くん自身だ。あの夜に全て置いてきてしまったんだ」と半ば確信があったけれど、まさにその通りとは。

その通りだったけれど、その遥か上をいってくれた。

最高の日々だった、もう充分満たされた。心残りは友のこと。だから、友の願いを叶えられる自分で顕れる。

きみは優しすぎるのよ。全てを置いてくる必要なんてない。その熱を抱えられる分だけ拾い直して、楽しんで歩きましょう。星の下で。(わたしの代わりに。)

ア゛ァ゛ーーーーーーーーーーー(黄色いチキンの如く)(語彙消滅)(無理目の無理)

イベント始まってからずっと伊織くんの称号?が「万理一空」じゃなくて「二天一流」なのがずーーーっと悲しかったの!!!!
師匠、ありがとう!!! 全部置いてこないで良いって言ってくれて、ありがとう!!!!!
カルデアで剣聖剣豪にわくわくできる伊織くんまで取り戻してくれて、ありがとう!!!!!

真エンド終えてからずっと考えていた。武蔵ちゃんの三画の令呪の行方。
対伊織くんで使用されたわけがない。では、どこで?
きっと、オリュンポスで武蔵ちゃんの背中を押したのだと思っていた。

でもさあ!!
一画くらい、ここでひとかけらの奇跡を残していったのかもしれないなあって!!!!!

いや本当に、この時期のコラボなら販促メインの内容だろうなって思ってたから。
こんな最高のアフターストーリーをお出しされるとは思ってなかったから。
鋼屋先生最高かよ。ありがとう。ファンになるわ。

持て余していたシルバーリング、剣陣営の小指に嵌めておきました。
永久にカルデアで友愛イチャイチャしてくれ。(強火オタク感)

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