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TRPG紹介:永い後日談のネクロニカ

TRPG > 永い後日談のネクロニカ 2013年12月24日(最終更新:8年前)

つぎはぎ本舗が2011年に発売しインコグ・ラボが管理・運営するテーブルトークRPG(TRPG)。著者は神谷涼。人類文明滅亡後の未来を描いた終末もののゲーム。略称は「ネクロニカ」。
(by Wikipedia)

システムはシンプルに、かつ奥深い戦闘システムを実現したTRPGです。
舞台は人類滅亡後の未来世界。
PCは「ドール」と呼ばれる高性能かつ自我を持ったアンデッド――つまりゾンビです。

設定上、鬱・グロ・狂気的な展開が多く、「そういう」嗜好を持っていないTRPGビギナー向けではないと、ルールブックに明記されています。

が、餅。的には舞台設定から目を背ければ、とてもビギナー向けのTRPGだと思います。
理由としましては、以下の通り。

①一本道シナリオでも問題なし

TRPGは自由度が高くてこそだと思います。
しかし、初心者GMがアドリブ利かせて対応するのは大変です。
ネクロニカは「作り手(ネクロマンサー)の手のひらで踊る哀れな少女(ドール)たち」というコンセプトというかイメージで成り立っているため、少なくとも本編中は「ネクロマンサー(GM)の手のひらの上」で良いのです。
アドリブ対応などはシナリオ終盤くらいに実践できれば良いといえるでしょう。
初GMとしてお勧めの作品だと餅。は思います。

②システムはシンプル

ネクロニカに使用するダイスは1人につき10面1つのみ。
更に判定はどのようなものでも「6以上で成功、1以下で大失敗、11以上で大成功」です。
この出目を高めたり、相手の出目を下げたりするためにPLはアイデアを出したり、スキルを使ったり、RPをしたりするわけです。
また、ネクロニカにはアイテムや金銭の概念が存在しません。やりくりが必要なのは経験点だけ。
考えることの少ないシステムは初心者向けだと思います。
勿論、より上手くプレイするためには装備やスキルの把握、独特の戦闘システムに対応した成長などが必要になるので、初心者でなくても充分楽しめるシステムになっているでしょう。

舞台設定の魅力

ネクロニカの持つ独特な世界観は、一度ハマるととことんハマります。
その魅力を知って頂くには、ニコニコ動画などに投稿されているネクロニカのプレイ動画を見るのが手っ取り早いかと思われます。

ネクロニカの世界では、自我や自分という存在が極めて曖昧です。
アンデッドに於いては姿形は勿論、記憶や人格の複製や入れ替えなどが容易に可能だからです。そしてPCたちは基本、記憶を欠片だけ残して失っており、彼女らの共通のゴールは「自分が何者か」を確立することです。
そのために記憶を取り戻す、自らのルーツを探すことが基本的な目的になるのですが……

その記憶は、本当に自分のものなのか?
この身体は、本当に自分のものなのか?
本当に私に「生前」なんて存在したのだろうか?
私には、本当に取り戻すべき「自分」なんてものが存在するのだろうか?

自分という存在を知れば知るほど、
過去の真実を知るほど、思い出すほど、自分が何者か答えられなくなる。わからなくなる。
この曖昧で狂気的な世界をぜひ、演出しきってください。

 

初心者から上級者まで楽しめるシンプル奥深いシステムと、独特の鬱暗さを持つネクロニカ。
ルールブックを手にするまでに気力を要しますが(笑)、ぜひプレイしてみてください。

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